『港新聞 第152号』に掲載していただきました
2012.04.16
弊社のソース作りの様子を『港新聞 第152号』の≪みなとの技を訪ねて≫のコーナーで取り上げていただきました。
2回に渡っての掲載となるみたいです。
港新聞をご購読の方は是非チェックしてみて下さい。
【新聞の記事より抜粋】
煮詰まり具合は目で!
3種の酢ブレンド まろやかな酸味と甘味
市岡生まれの弁天育ち。手づくりソースとして60数年の歴史を持つ『三晃とんかつソース』『三晃ウスターソース』。
まろやかな酸味と優しい甘味、フルーティでスパイシーな味わいがお好み焼き店や家庭で重宝されています。
ソース職人としてマスコミにも再三登場した三晃食産の武田喜勝社長を工場に訪ね、味の秘密やソースづくりの歴史を尋ねました。
◆蒸気で炊き、掻き混ぜ◆
4月2日。この日造るのはとんかつソース。製造は朝7時にスタート。天井の高い約八十坪の工場。機械の熱で天井や壁に露がつくのを防ぐため、シャッターは開け放したままです。
冷気の中、まず材料である大蒜、玉ねぎ、人参、トマトなどを次々とタンクに投入し、最後に酢(殺菌作用がある)を入れます。
9時ごろボイラーに点火すると、ボイラーから送られた蒸気がタンク内の材料を炊き始め、轟音と共に湯気が盛んに上がります。
「難しいのは温度管理。大手メーカーは工場内でのコンピュータ管理やけど、うちは季節や天候によって点火のタイミングや火の強さを調整せなあかん。強すぎるとサラサラになってしまうし、弱すぎるとドロドロし過ぎるからな」。
10時を過ぎると湯気も音も収まってきました。「煮詰まってきたん」やと武田さん。
頃合いを見て、砂糖、カラメル、香辛料、コーンスターチ(とろ味をつける)、玉蜀黍粉(とうもろこしこ・とろ味を滑らかにする)、食塩、水などを加えます。
そして、合間に何度か梯子をかけ上がり、長い木の棒でタンクの中を掻き混ぜます。
全身を使ったダイナミックな動き。ソースづくりへの情熱と気迫が伝わってきます。
◆沸騰、そして瓶詰め◆
やがてタンク内は再び活気づき、ボコボコという沸騰音と共に湯気も強烈。
時々ビュッと液が飛び出し、酸が目と鼻を刺激します。
そんな中、沸騰面を見つめていた武田さんが蒸気バルブをギュッと閉めました。点火から約二時間、千八百(一升瓶千本分)のとんかつソースの誕生です。
炊き上がったソースはすぐさまタンクから幾つものポリ容器に、さらに何本もの瓶に移されます。
触ると熱い!「時間が経つと固まってしまうからな」と武田さん。
このあと妻の和子さんも加わって瓶にラベルが貼られ、出荷されるということでした。
◆鮮度重視、贅沢材料◆
正に人の目と手で生み出される三晃ソース。
注文が切れる事はありませんが、「加工品」としての鮮度を重視し、造り置きはしません。
リンゴ酢など三種をブレンドした特製酢、それに大根から採れる砂糖が三晃流の贅沢。
「人件費がかからん分、材料に凝れる」とか。
そんな手づくりの味が口コミで広がり、数年前からはマスコミも取り上げるようになりました。(つづく)